近年、20代、30代を中心に広がりをみせているホワイトニング。
インターネット上ではホワイトニングに関して、さまざまな情報があり、なかには”ホワイトニングの危険性”について記述しているものもあります。
そんな影響から「ホワイトニングって大丈夫?」「歯を元の色より白くするんだから、歯にはあまりよくないんじゃないの?」と思っている方もいると思います。
そんな不安や心配をお持ち方に向けて、ここではまず初めに
”ホワイトニングのメカニズム”知っていただいた上で、ホワイトニングの安全性について解説していきたいと思います。
ホワイトニングのメカニズムとは?
ホワイトニングの薬剤には過酸化水素か過酸化尿素が入っています。
過酸化水素はよく消毒液で知られる”オキシドール”に3%含まれていて、殺菌作用があります。
過酸化水素は文字通り、水素と酸素からなっていて唾液や体温などで簡単に分解されます。
分解されたものはヒドロキシラジカルとヒドロキシペルオキシドラジカルという2種類のフリーラジカルというものになります。
フリーラジカルとは”自由な基”という意味で文字通り、高いエネルギーを持っていて自由に動き回り、歯のエナメル質の隙間からエナメル質、象牙質のところまではいっていきます。
そして、フリーラジカルは電子が少ない状態のイオンです。(学校の科学でならったことをなんとなく覚えていらっしゃるかですが)
その状態ですので、何かとすぐくっつきやすいもの状態になっています。
そこで、着色物質とくっついて、その着色物質を分解してくれるのです。
これがホワイトニングの仕組み(メカニズム)です。ホワイトニングで薬液を塗ったあと、ライトをあてたりするのはこのフリーラジカルの動きを活発にするためのものです。
ホワイトニングは安全です
ホワイトニングの薬剤は無機質(ミネラル)を多く含むエナメル質表面には害がないと考えられています。また、ホワイトニングを行うことで、エナメル質の表面では虫歯予防効果があると報告されています。
これは健康な口の中ではホワイトニング直後、再石灰化によって耐酸性が上がることがわかっています。耐酸性がつよくなるということは、”虫歯になりにくくなる”ということになります。
通常、口の中は酸性でもアルカリ性でもない”中性”です。
そして、皆さんもよく聞くホワイトニング後に発生することがある”知覚過敏”は、このフリーラジカルが歯髄(歯の神経)まで到達してしまうことで発生します。
歯科医院でホワイトニングを行う場合はこの知覚過敏を未然に防ぐために
・歯にクラックがないかなどの状態を観察し、クラックがある場合はホワイトニング時に避ける・保護剤を塗布する
・むし歯があるかを事前に確認し、むし歯がある場合は、治療を行う(むし歯部分から歯の神経にフリーラジカルがいくことを避ける)
・ホワイトニング時には歯茎など歯以外のところに薬剤がいかないようにマウスガードや歯茎にシール保護剤を塗布
が起こらないようにしています。
こういったことから歯科医のもとで行うホワイトニングは安心を得ることができます。