口臭予防や歯周病予防など、ドラックストアやアマゾン・楽天などのショッピングサイトでも様々な種類の歯磨き粉が販売されています。ホワイトニング歯磨き粉も同様で、”黄色い歯を白くしたい”というニーズからたくさんの種類が出ています。
ただ、これだけ多くの種類があると「私にはどんな歯磨き粉がよいんだろう?」、「希望する歯の白さにしたいけど歯磨き粉で白くできるの?」など、何を買ったらよいのか、ホワイトニング歯磨き粉でよいのか迷われている方も多いかと思います。
ここではホワイトニング歯磨き粉について、どんなものがなのか、選ぶポイント、歯医者さんがすすめる具体的なホワイトニング歯磨き粉、歯磨き粉の効果をより上げる歯磨き方法について説明していきたいと思います。
ホワイトニング歯磨き粉ってどんなもの?普通の歯磨き粉との違いは?
ホワイトニング歯磨き粉は歯表面の着色汚れを落とすもの
ホワイトニング歯磨き粉として販売されているものは、歯表面についた着色汚れ(ステイン)、タバコのヤニを歯磨き粉の成分で汚れを浮かせたり、研磨したりすることによって除去します。
歯本来の色に戻すものであり、歯そのものを白くするものではありません。
普通の歯磨き粉との違いは?
ホワイトニング歯磨き粉には歯表面の着色汚れやヤニを落とす成分、歯の再石灰化を促し表面に汚れをつきにくく成分などが普通の歯磨き粉より多く含まれているのが特徴です。それぞれのホワイトニング歯磨き粉にはタバコのヤニに有効なものや歯質を強化するものなど特色があります。
その他の違いとして、通常、数千円の価格帯が多く普通の歯磨き粉よりも値段が高くなります。
海外製の一部のホワイトニング歯磨き粉には歯そのものを白く成分が含まれる
国内製のホワイトニング歯磨き粉には厚生省の認可がされていないため、歯そのものを白くする過酸化物(過酸化水素、過酸化尿素)成分は含まれていません。
コルゲート、クレストなどの海外製の一部の歯磨き粉には過酸化物が含まれているものがあり、歯そのものを白くする効果があります。過酸化物の濃度は低めですが、過酸化物は痛みや知覚過敏を起こす可能性があるため、使用する際には注意が必要です。
ホワイトニング歯磨き粉を選ぶ5つのポイント
①着色汚れ、タバコのヤニを落とす成分が含まれている。
成分には着色汚れに有効なもの、タバコのヤニに有効なものなどそれぞれに特徴があります。
着色汚れを落とすもの
ポリリン酸ナトリウム:成分がイオン化することで着色成分とくっつき汚れを浮かせます。また、歯表面に着色物質が付かないように働きもあります。(ポリリン酸の中でも分割ポリリン酸、短鎖ポリリン酸、EXポリリン酸と呼ばれるものは着色分解効果が強いといわれています)
ラリウム硫酸ナトリウム:
ピロリン酸ナトリウム:歯表面についている着色汚れを浮かせる作用があります。
パパイン酵素:この酵素で汚れを浮かせて、ブラッシングにより除去します。研磨剤不使用の液体歯磨きに含まれていることが多いです。
カルプロックス:歯の表面についた汚れを落とします。その際、歯表面にある膜:ペリクルも剥がす作用があるため、この成分を含んだ歯磨き粉を使用後は一定時間、色の濃い飲食・タバコを避ける必要があります。
タバコのヤニ成分を落とす
ポリエチレングリコール:タバコのヤニを溶かし除去します。タバコのヤニに特化した歯磨き粉などに含まれています。
②低研磨や研磨剤が入っていないもの
研磨剤はその粒子が粗いと歯表面に傷をつけてしまい、その結果着色汚れがつきやすくなるため、粒子が細かい低研磨のもの、または研磨剤が入っていない歯磨き粉を使用します。
研磨剤には浮いた着色汚れを掻き出す効果があります。研磨剤が入っていないものはブラッシングにより、その汚れを除去します。
粒子が細かいものは、”低研磨”と表示されているものが多いので、確認してみましょう。
③発泡剤が少ないまたは不使用
発泡剤が多いと口の中が泡だらけとなり、よく磨けているのかがわからなくなってしまいます。着色汚れを落とす成分を歯全体に行きわらせるためには発泡剤が少ないものを選びましょう。
ちなみに発泡剤はラリウム酸ナトリウム、
④歯の再石灰化を促す成分が含まれる
ハイドロキシアパタイトと呼ばれる成分が入っているものは、歯の再石灰化を促進させ、歯の表面を滑らかにすることで、着色汚れを防ぎます。また、ハイドロキシアパタイトは歯石の吸着もしてくれるので、虫歯予防にもつながります。
⑤フッ素が含まれている
フッ素にも再石灰化の促進する役割があります。ハイドロキシアパタイトとともに使うとより効果的です。
また、フッ素そのものにより虫歯菌の抑制にもつながるため、虫歯予防として浸透しているのはこの効果によるものです。
ホワイトニング効果には直接関係ないがその他の成分
硝酸カリウム:知覚過敏用の歯磨き粉に含まれている成分です。硝酸カリウムは歯の神経への刺激を抑制する効果があります。
歯科従事者おすすめのホワイトニング歯磨き粉は?
ルシェロホワイト
歯科専門メーカーのGCが製造・販売しているホワイトニング用歯磨き粉です。弱アルカリ性の細かいLime粒子が着色汚れを浮かせて、掻き出します。また、ポリエチレングリコールがタバコのヤニを分解します。そして、高濃度のフッ素が配合され、歯の再石灰化を促進し着色汚れをつきにくくし、虫歯の予防も行います。
スーパースマイル
カルプロックスという成分が歯表面の着色を落とします。この成分により歯表面をおおっているペリクルという保護膜が一時的になくなるので、使用後は30分ほど色の濃い飲食、タバコは避けたほうがよいと取扱い歯科でのコメントをもらっています。また、高濃度のフッ素も含まれていますので、歯の再石灰化にも有効です。
アパガードプレミオ
”アパガード”で知られるホワイトニング歯磨き粉のシリーズでもっともハイドロキシアパタイト成分が多く含まれています。この成分で歯石の除去と歯の再石灰化をし、白く着色汚れがつきにくい歯を作ります。
ブリリアントモア
ピロリン酸ナトリウムが歯表面の着色を浮かせ、清掃剤(研磨作用)とブラッシングで汚れを落とします。
歯磨き粉の効果を最大にする歯みがき方法は?
歯の着色汚れを落とすホワイトニング歯磨き粉。できれば、効果的に使用し、歯の着色汚れを落とし、歯の白さをキープしたいですね。
ここでは、どんな歯磨きを行えば、より効果的に使用できるかについて説明していきます。
・歯ブラシに水で濡らさずに歯磨き粉をつける
歯磨きの成分を歯に効果的に行き渡るようにするには、歯ブラシを濡らさず歯磨き粉をつけた方が効果があがります。
・歯と歯の間を意識して磨く
歯と歯の間は汚れが取りづらかったり、歯磨き粉の成分が届かなかったりします。成分が届きにくいところを意識して磨くことで、なるべく浸透させるようにします。歯磨き中にフロスを用いることで歯と歯の間に成分が行き渡らせることもできるので効果的です。
・歯磨き後のうがいは成分を残すため軽くすすぐ
歯磨き粉にはフッ素やハイドロキシアパタイトが含まれています。歯磨き後、何度もうがいを行うと成分が流れてしまうため、1回程度軽くすすぐようと効果が上がります。
歯そのものを確実に白くしたい場合は歯科医でのホワイトニング
ここまで、ホワイトニング歯磨き粉について解説してきましたが、歯表面の汚れやタバコのヤニを落とす効果はあるものの、歯そのものを白くする効果はありません。
”歯そのものを希望通りの白さにしたい”場合は、歯科医指導のもとでのホワイトニングを受ける必要があります。歯科医でのホワイトニングにも1回の施術で済むもの、自宅で行うものなどいろいろな種類がありますので、個人個人にあったホワイトニング方法を受けることができます。
歯科医でのホワイトニングについてはこちらの記事”オフィスホワイトニング・ホームホワイトニングのメリット・デメリットは?”で説明していますので、歯そのものを白くしたい方は参考になさってください。
まとめ
ここでは、
・ホワイトニング歯磨き粉は基本、歯表面の着色汚れを落とすもの
・ホワイトニング歯磨き粉を選ぶポイントは”着色汚れ/ヤニ除去、低研磨か研磨剤なし、発泡剤が少ない、歯の再石灰化を促進する成分、フッ素入り”の5つ
・歯科従事者おすすめの歯磨き粉はルシェロホワイト、アパガード、スーパースマイル、ブリリアントモア
・ホワイトニング歯磨き粉をより効果的にする歯磨き方法は”歯ブラシを水で濡らさず歯磨き粉を直接つける、歯と歯の間に成分がいくように磨く、うがいは軽くして成分を残す”
・歯のそのものを確実に希望の白さにしたい場合は歯科医指導のもとでのホワイトニング
について解説してきました。
目的や希望にあったホワイトニング歯磨き粉を選ぶ参考になればと思います。また、ホワイトニング歯磨き粉では歯の白さには限界がありますので、”歯そのものを白く”を希望される方は歯科医でのホワイトニングを行ってみましょう。